ザウクロチャット2
このコーナーでは、もんてんママの「クロ」と、もんてんにっきを書いている「ザウルス」による、もんてんのことやアートのこと、その他いろいろなことについてのおしゃべりをちょっとずつ公開していきます。
ー5月のある日のおしゃべりよりー
●カテゴリーって?
クロ:最近すごく感じているのは、「区別する」「カテゴリーをつくる」ってことをすればするほど、そこから埋もれていくものとか、区分けからはずれていくものが多くなるなあって。音楽のジャンルのことでいうと、ジャズとか、クラシックとか現代音楽とか、どっからどこまでが何?っていう。安易に分けられるものじゃないな、って思ったりして。
ザウルス:たぶん、似たものを集めて分けるんだけど、どれもそれぞれみんな違うから、本来的に、完全には分類しきれない。カテゴリーっていうのは、たくさん存在する個々のものをわかりやすく整理するための便宜的な方法なんだと思います。
●アートをどうやって鑑賞する?
ク:今、アートリテラシー、鑑賞力ということが言われているけどー。
ザ:つまり、アートを一人一人がどう鑑賞するかっていうこともありますよね?それは、きっとまず自分が、カテゴリーとかいうんじゃなくて、「一つ一つ個別の作品のどこを面白いと思ったか」っていう、自分の見方を大切にすることと、自分以外の人の意見に触れて、さらに自分の視野を広げることが、鑑賞するときに重要なことなのかなって思います。
ク:そうよねぇー、自分自身が素直に面白いとか面白くないとか思ったことがすごく大切で、アートの見方にはそういう自由性があるんだと思う。これ面白いなあとか面白くないなあとか思ったりしているけど、あなたはどう思う?ってきいたときに、ああ、この人は自分とは違った感じ方をしてるんだなあっていうことも含めて、そういうことも楽しいよね。
私はあの人と違うからダメとか、どうしてかな?とか、そんなこと思う必要もないよね。
ザ:うん。みんな違うのえ。
あときっと、カテゴリーってのは、仮説みたいなもので、仮に「こういうものである」というのをたてておいたうえで、やっぱり違ったとかやっぱりそうだったとか、カテゴリーが鑑賞のための一つの視点とか手がかりになりうるっていうか、、、。
ク:そうだね。何にもなかったら、何か一緒に話すとっかかりがないかな。
ザ:と思うと、カテゴリーはあっても、個々のものはそれぞれ一つずつ全く違うっていうことを認識したら、それはすごい発見ですよね。
ク:そういうふうに発見をするためにも、分けるってことは必要なんだね。なかったら。想いとか疑問も抱かないんだもんね。カテゴリーに縛られるのではなく、カテゴリーがあるから、そこからもれているものへのまなざしを持つことができる、っていうことかな。