カテゴリ:ザウクロチャット( 4 )   

ザウクロチャット4   

●”もんてん”19歳の誕生日にむけて〜文弥師匠から教えてもらったこと〜

ザ:”もんてん”は今年の10月7日で開館19周年なんですね。19年”もんてん”をやってきて、一番楽しかったことって何ですか?
ク:文弥師匠と出会ったことかな。
ザ:どんなことが楽しかったですか?
ク:まず、100歳の人に出会ったわけです。あの頃、ちょうどきんさんぎんさんが出て
たときなんだけど。100歳の現役芸人さんと出会ったってこと自体がすごいでしょ。そ
れから、文弥師匠はすごく楽しいんです。「なんとなく明日が楽しい」って(人生を)
毎日を送ってるんだよ。
ザ:「なんとなく明日が楽しい」ってどういうことですか?
ク:そう文弥師匠は『あした、何か嬉しい約束がある—というようなことではなく、(中略)あたしにしてみれば、朝、顔を洗って、配達された牛乳をガスで湧かして、(中略)その熱いのをすすりながら—という、静かな、無心の十分。これが毎日続きます。この「あした」がたのしいのです(岡本文弥著『百歳現役 なんとなくあしたがたのしい』海竜社)』って。文弥師匠をみていると、普通の生活が幸せと思える人は本当に幸せだと思えたのよね。でも、それってなかなかできないのよ。欲のせいなのかな。普通の生活に対する幸せって、100歳になったから思えたことなのかしら・・・とても興味を持ちましたね。
それから、文弥師匠の“あなたのために語りますよ”“あなたのために弾きますよ”っていう感じに惹かれましたね。みんなのために演奏してるんだけど、一人一人に対して
あなたのためだけに演じているんですよ、という感じ。丁寧だってことなのかな?
文弥師匠と出会って、一芸に秀でるって、こつこつとか、丁寧にやることじゃないか
な、って思いましたね。よく言うでしょ、「天才とは1%の才能と99%の努力」って。文弥師匠と接していると、目新しいことをするんじゃなく、毎日の生活をこつこつ積み重ねていらしたことで、唯一無二にたどり着くっていうことが、改めて府に落ちたかな。
ザ:”もんてん”って唯一無二ですよね。クロさんがこつこつ積み上げてきたことが唯一無二になってきたのかなって思うんです。
ク:ありがとう。きっと、文弥師匠の言われているように、「この道をこつこつ歩く」、特別なことじゃなくて、今やってることをこつこつやるっていうことで、そこでしかありえないものが生まれていくってことなのかな。
このことを文弥師匠に教えてもらった気がしますね。”もんてん”で出会った人たちと
一緒にこつこつやってきたこと、それが今の”もんてん”につながっているのかな、と
思うんですよ。

--9月のある日のおしゃべりより
[PR]

by monnakaten | 2008-09-27 15:03 | ザウクロチャット

ザウクロチャット3   

● もんてんがホールをでていく企画って?

ザウルス:もんてんの企画の中には、もんてんホールの中だけでなくて、もんてん以外の場
所に出てやる企画がありますよね?
具体的に言うと、江東区内での出前シリーズとか、今度8月に行われる井上廣子写真彫
刻展とか。
どうして、ホール以外の場所での企画を始めたんですか?
クロ:前にも話したかもしれませんが、私がやってみたいことは、人と関わるというこ
と、一人ではできないことをやるということでしょうかね。
創造すること、何かをつくるという行為は、たったひとりでできることではなく、た
とえそれが、結果的に一人で行動したように見えるものであっても、そこにたどり着
くまでの創造の間には、人との関わりがあって、その関係性が創造に影響を与えていっ
ていると思うの。
そういった意味で、アートが面白いなあと思うのです。作品に心が動かされたことを
きっかけに、いろいろなことが起きる。
ザウ:例えば、ある作品に触れたとき、それに触れた人が、そこをきっかけにまた何か
をしてみようと思う。
つまり、クロさんは作品から波及していくような影響や行為を含めて、アート作品の
おもしろさと感じているということですか?
クロ:多分。作品そのものの時もあるし、人の時もあるし、プロジェクトそのもののと
きもあります。その先にあるものに、みえていないけれど、突き動かされているよう
な気がします。
見えないもの、それは自分にとっての未踏なもの、せかい?
ザウ:なにかをきっかけに、なにかが起こっていく。それは見えるものの場合もあるし、
そうでない場合もあるでしょうけれど、その何かが起こるためのきっかけを、クロさ
んはアートの企画で作ってみたいと思っているということですね。
では、人と関わって作っていく企画をしていくというときに、「ホールの外に出て行
く」という行為は、どのような意味があるのですか?
クロ:ホールから出て行くことは、私にとっては、もう少し積極的な渇望かもしれませ
ん。
ただ「ホール」という空間があっただけでは、何も起こらないと思います。そこに集
う人々の魅力や企画の面白さ、人が人を呼び、企画が企画をよびます。出前コンサー
トなどをすることで、アーティストや企画者や観客との出会いがあり交流が起こって
います。
ザウ:つまり、ホールでもおもしろいイベントを企画して、さらに、ホール以外でも企
画をやっていくことで、これからの企画に一緒に関わってもらえる仲間づくりと、お
もしろいことが連鎖していくきっかけ作りをしようとしているということですね。
クロ:はい、アートにはそういう力があると思います、嬉しいですね。

*****
[PR]

by monnakaten | 2008-08-15 09:43 | ザウクロチャット

ザウクロチャット2   

ザウクロチャット2

このコーナーでは、もんてんママの「クロ」と、もんてんにっきを書いている「ザウルス」による、もんてんのことやアートのこと、その他いろいろなことについてのおしゃべりをちょっとずつ公開していきます。

ー5月のある日のおしゃべりよりー

●カテゴリーって?
クロ:最近すごく感じているのは、「区別する」「カテゴリーをつくる」ってことをすればするほど、そこから埋もれていくものとか、区分けからはずれていくものが多くなるなあって。音楽のジャンルのことでいうと、ジャズとか、クラシックとか現代音楽とか、どっからどこまでが何?っていう。安易に分けられるものじゃないな、って思ったりして。

ザウルス:たぶん、似たものを集めて分けるんだけど、どれもそれぞれみんな違うから、本来的に、完全には分類しきれない。カテゴリーっていうのは、たくさん存在する個々のものをわかりやすく整理するための便宜的な方法なんだと思います。


●アートをどうやって鑑賞する?
ク:今、アートリテラシー、鑑賞力ということが言われているけどー。
ザ:つまり、アートを一人一人がどう鑑賞するかっていうこともありますよね?それは、きっとまず自分が、カテゴリーとかいうんじゃなくて、「一つ一つ個別の作品のどこを面白いと思ったか」っていう、自分の見方を大切にすることと、自分以外の人の意見に触れて、さらに自分の視野を広げることが、鑑賞するときに重要なことなのかなって思います。

ク:そうよねぇー、自分自身が素直に面白いとか面白くないとか思ったことがすごく大切で、アートの見方にはそういう自由性があるんだと思う。これ面白いなあとか面白くないなあとか思ったりしているけど、あなたはどう思う?ってきいたときに、ああ、この人は自分とは違った感じ方をしてるんだなあっていうことも含めて、そういうことも楽しいよね。
私はあの人と違うからダメとか、どうしてかな?とか、そんなこと思う必要もないよね。

ザ:うん。みんな違うのえ。
あときっと、カテゴリーってのは、仮説みたいなもので、仮に「こういうものである」というのをたてておいたうえで、やっぱり違ったとかやっぱりそうだったとか、カテゴリーが鑑賞のための一つの視点とか手がかりになりうるっていうか、、、。

ク:そうだね。何にもなかったら、何か一緒に話すとっかかりがないかな。

ザ:と思うと、カテゴリーはあっても、個々のものはそれぞれ一つずつ全く違うっていうことを認識したら、それはすごい発見ですよね。

ク:そういうふうに発見をするためにも、分けるってことは必要なんだね。なかったら。想いとか疑問も抱かないんだもんね。カテゴリーに縛られるのではなく、カテゴリーがあるから、そこからもれているものへのまなざしを持つことができる、っていうことかな。
[PR]

by monnakaten | 2008-05-29 14:12 | ザウクロチャット

ザウクロチャット1   

このコーナーでは、もんてんママのクロともんてんにっきを書いているザウルスによ
る、もんてんのことやアートのこと、その他いろいろなことについてのおしゃべりを
ちょっとずつ公開していきます。

—3月のある日のおしゃべり—

●クロさんは、コラボレーションが好き?
ザ;クロさんは、人から“コミュニティ好き”って言われることがあるじゃないですか?
それは、ワークショップみたいにいろんな人と一緒に作っていく作品とかそういうこ
とをしているアーティストが好きってことですか?
ク;そうだね。一人ではできないこと、人との関わりの中でしか生まれない
ようなこと、そういうことの楽しさ、面白さ、人と関わることの楽しさ、煩わしさも
含めて、自分だけでは生み出せないものが好きなんだよね。
ザ;なんでそういうことに惹かれ始めたんですか?
ク;うーん、もんてんの運営を一人でやっていたころ窒息状態になってしまって、これじゃ自分がつぶれちゃうかなと思って、活路を見いだしたかったちょうどそのころに、「小空間ネット」を作ろうと提唱した人がいて、出所進退の違う小屋のいろんな人が集まって、ネットワークできないかって。小さい小屋っていうのは、どこも人・物・金、つまりスタッフ・設備・資金がない。でも、ネットワークを作ることで、備品をお互いに貸し出せるようになったらいいよね、とか、アーティストを海外から呼ぶとかいうことになったら、みんなで負担しあてそれをやるということもあるよね、とかそういう話をしたのね。
ネットワークという言葉に、これまで一人ではやれなかったことに、広がりや可能性がいっぱい見えてきちゃった。ここから、自分の心が開けていったのかな。だから、今でも一人で煮詰まっちゃったり、まずいなって思ったときは、今までの経験から、人と関わることから道が開けるんじゃないかな、と思ってるのね。

●継続することの難しさ
ク;でも、物事って永遠じゃないんだよね。人との関わりができたとしても、そのネットワークが新たなことを生み出していかない限り、つまり新しい自分たちと出会っていかない限り、それも続いていかない。ものごとって継続しなければ積み重なっていけないと思うんだけれども、同じ状態のままでは継続できないんだよね。継続することの難しさがある。継続するためには、継続するための破壊っていうか、崩壊っていうか、壊してはまた作り、壊してはまた作り、、、っていう運動が必要かなって。
ザ;壊すんですか?
ク;壊すっていうか、変容していくのかもしれない。そのままではだめなんだよ。
ザ;わかります。私も、ワークショップを通して作品を作っていくっていう長期的なプ
ロジェクトの中で、それを感じました。プロジェクトの最初で何かが生まれたときは、
“これはなんか面白い!ワクワク!”っていう感じでいたんですけど、それが毎回当たり
前にできてしまうようになると、面白くなくなってきちゃうんですよ。
ク;そう、そう。
ク;それはアーティストやプロジェクトだけじゃなくて、普段の生活する中でもそうだと思うし、運営のありようでもそうだし、生きていくってことそのものがそういうことなんじゃないかなって思うこともあったりして。同じでいるっていうことじゃだめなのかな〜。
[PR]

by monnakaten | 2008-04-04 18:23 | ザウクロチャット